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新型インフルエンザ、妊娠後期ほど重症に

指を掴む赤ちゃん

妊娠週&出産カウントダウンの設定

秋になり、新型インフルエンザは更に感染拡大しています。先日、オーストラリアでは妊娠後期になるほど重症化しやすいとの集計結果が出ました。

以前から妊娠中の女性は新型インフルエンザワクチンを優先接種するという方針が出たり、妊婦は新型インフルエンザにかかると症状が悪化しやすいと言われてきました。とはいえ今回のウイルスは弱毒性とも言われています。なぜ、妊娠後期の感染が特別に危険視されているのでしょうか。

オーストラリアでの新型インフルエンザ集計結果

オーストラリアの保健省が発表した、新型インフルエンザの入院感染者数は約4700人にものぼるそうです。そのうち妊婦は約190人、死亡者は4人でした。確率としては入院した妊婦の100人に2人弱が死亡した結果になります。もちろん、入院せずに通院で治療を受けた妊婦の数は更に多いと思われます。

約190人の入院した妊婦の中でも妊娠周期が分かった76人を妊娠初期、中期、後期と分けたところ、妊娠後期の患者は52人もいたそうです。この結果からオーストラリアは、妊娠周期が進むほど入院を余儀なくされる確率が高いとの結論をだし、妊娠後期の感染に注意が必要だたと発表したというわけです。

妊娠後期は免疫機能が低下中

妊娠すると、体が赤ちゃんを受け入れる為に免疫機能のレベルを下げていきます。妊娠後期は特に、胎児の機能が発達しているので母体は赤ちゃんを拒まないようになっています。その為、他の歓迎されないウイルスに対しても抗体力が低くなってしまいます。

更に、妊娠後期の母体は大きくなったお腹を支えながら動くので体力も使います。妊娠前と違って、歩くだけでも普段以上に疲れが出るものです。インフルエンザに対しても手洗いやマスク、そして妊娠中は十分な休養と栄養摂取で体力をつけておくことも予防のひとつです。

そして、これからの季節の変わり目や乾燥した時期の外出は十分注意してください。外出は混雑時を避けたり、体調が悪い時は買い物も無理せずに宅配を活用してみましょう。

妊婦とタミフル

厚生労働省によると、9/15までの日本国内での新型インフルエンザ感染で入院した妊婦は6人、1歳未満の乳児は25人だそうです。妊娠中、または妊娠の可能性のある方がインフルエンザを疑ったら、先ずは保健所や病院に電話で問い合わせましょう。地域で流行中で病院の対応が困難な場合は、産科に相談するのも1つの手段です。

妊娠中は赤ちゃんを思えばこそ、タミフルに対して特別に警戒している方が多いようです。感染者との接触や、自身が新型インフルエンザに感染したかもしれないと思ったら、タミフルやリレンザが胎児に悪影響だという固定観念を捨てたほうが良い場合もあると思います。

2007年の米国疾病予防局ガイドラインでは「抗インフルエンザウィルス薬を投与された妊婦および出生した児に有害事象の報告はない」と記されています。接種は本人の同意の上で行われますが、医師の指導でタミフルやリレンザの摂取をする時は、得られる効果も考えてみることも大切だと思います。

最新情報には敏感に

新型インフルエンザで1番大切なことは、予防とともに最新の情報を積極的に知ることだと思います。今回も、妊娠中の感染は重症化しやすいとの見解から、更に妊娠後期が特に要注意だと最新情報が発表されています。

新型インフルエンザは未知数の部分が多いゆえに、憶測もたくさん飛び交っています。ワクチン接種の優先順位の詳細や接種できる病院についても順に発表されるので、噂や憶測に惑わされないようにしたいものです。

まだ周囲で流行していないと予防はしても実感が湧かないかと思いますが、今回の新型インフルエンザは世界中で流行し、WHO(世界保健機構)は警戒レベルをフェーズ6に引き上げています。フェーズ6とは人に感染することが増大化して継続中の状況を指しています。これはパンデミックと呼ばれ、世界的大流行を意味しています。

予防中も最新の情報に注意し、もしも感染を疑ったり症状が出たら自分はどこに問い合わせて受診をするか、念のためですが考えておくと安心だと思います。

新型インフルエンザの情報は、以下のページで確認することができます。

厚生労働省・新型インフルエンザ対策関連情報
日本産科婦人科学会

新型インフルエンザA型の特徴は以前の記事を参考にしてみてください。
新型インフルエンザ、本格流行宣言

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