赤ちゃんは常におなかの羊水に浮かんでいますが、決して溺れてしまうことはありません。それは口や鼻から空気を吸う「肺呼吸」ではなく、ママの胎盤からへその緒を通して酸素を補給しているからです。
「超音波診断装置」が開発される前は、赤ちゃんの心音を聞くのに「トラウベ」という筒状の器具を使っていました。トラウベを妊婦さんのおなかに直接当てて、赤ちゃんの心臓の音を聞いていたのです。以前はこの器具は助産師さんの必需品だったようです。
赤ちゃんが男の子か女の子かを考えると、妊娠生活もまた楽しくなるでしょう。赤ちゃんの性別は、実は受精したときには決定されています。しかし私たちが判断できるようになるのは、超音波で赤ちゃんのその「かたち」がしっかりと確認できる妊娠中期以降です。
胎児心拍数は、妊娠6週ごろに約90bpm(1分間の心拍数)で、妊娠10週ごろの160bpmをピークに、その後妊娠後期には120~140bpmに落ち着いてきます。赤ちゃんの心拍動は大人の約2倍ほどの回数です。
赤ちゃんは妊娠8週くらいから、おなかの中で少しずつ動き出しています。しかしママがその動きを胎動して感じるのは、早くても妊娠16週を過ぎた頃になるでしょう。
妊娠8週頃になると、赤ちゃんは羊水を飲んで羊水におしっこをします。「出したおしっこを飲むの?」と感じる人も多いと思いますが、羊水は常に消毒され新しいものに入れ替わっています。(90分で50%、3時間でほぼ全ての羊水が入れ替わる)
羊水は妊娠8週ころになると、1週間に10mlくらいずつ増え続けていきます。羊水量のピークは妊娠33週ころで、約800mlにもなるようです。そして出産に向けて妊娠39週以降になると急激に減少します。
胎児は英語で「fetus」と書きますが、これはラテン語から発生した言葉で「子孫」と言う意味があるそうです。
→羊水は「amnion」、胎芽は「embryo」。
妊娠3ヶ月頃に区役所や保険所からもらえる「母子健康手帳」は、1人の赤ちゃんにつき1冊もらえます。もし双子の場合は2冊、三つ子の場合は3冊申請することになります。
一説には妊娠中に乳首が黒くなるのは、生まれたばかりの赤ちゃんが「おっぱい」を見つけやすくするためだと言われています。実際には妊娠中に大量に分泌される女性ホルモン(プロゲステロン)の作用が強いかもしれません。
生まれたばかりの赤ちゃんは、原始的にいくつかの動作を身につけています。その1つが「ルーティング反射」で、これは顔の周りに何かが触れると、刺激された方向に口をもっていく反射のことです。(おっぱいを探す)
海外では妊婦検診が無料だったり、あるいは保険が利くところがたくさんあるようです。日本でも自治体により「妊婦検診」を5回以上、あるいは無料とする方針をとっています。(それまでは大体2回までが無料だった)
メキシコのユカタン半島では、ハンモックで出産する風習があったそうです。ユカタン半島のハンモックは有名で「ユカタンハンモック」などと呼ばれて今でも人気があります。
古代ギリシャのヒポクラテスは次の方法で性別を判定していたそうです。それは男子の場合は「乳房が左より右のほうが固い」、「右目が左目よりも明るい」という方法でした。
つわりを英語で「モーニングシックネス」といいますが、その理由はつわりが朝の空腹時に症状が出やすいことからです。しかしつわりは病気(シックネス)とされていないし、朝に限らず感じる人が多いのも事実です。
以前は妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)は、後期に起こる「つわり」と考えられていた時期がありました。確かに妊娠高血圧症候群の原因には、妊娠初期(胎盤形成時期)に関わりがあるとも言われています。
妊娠2~3ヶ月ころに「つわり」で消化器官系のトラブルがあるのは、多くの人が知っています。しかし実は妊娠後期にも「つわり」に似た症状が起きやすくなります。
これは胃や肺、心臓などが、増大された子宮に圧迫されるのが原因とされています。そして出産間近になり、赤ちゃんが子宮口に下がると楽になることが多いようです。