妊娠中もビタミン剤を利用している妊婦さんはたくさんいると思います。そこで今回は産婦人科に関する質問・疑問に答えてくれる「はらだ医院婦人科Q&A」にビタミン剤のことをお聞きしてみました。
ビタミンAを妊娠初期に大量に摂取すると、頭蓋神経堤などの奇形が発生するという報告があります。しかし、ビタミンAにはレチノールとカロチノイド(ベータカロチン)があります。 レチノールには胎児催奇形性が認められていますが、カロチノイドには催奇形性は確認されていません。
ビタミンDを妊娠初期に大量に摂取すると、骨格異常など骨形成の異常や、高カルシウム血症になり、精神発達と発育の遅延、大動脈弁狭窄などの異常が発生するという報告があります。
ビタミンBについては、妊娠に対する影響、の記載がありません。
ビタミンE、ビタミンCにもこのような記載はありませんが、必要量以上の摂取は無意味です。 妊娠時限定ではありませんが、最近のアメリカ国立科学アカデミーの報告では、ビタミンC、ビタミンEを大量に摂取しても健康への確かな効能の根拠はない、と断言しています。
ビタミンEについては、動物実験では血液凝固障害以外に催奇形性は認められていません。 ただし、アメリカではビタミンEの1日の推奨許容量は16mgとされていますが、妊娠初期に使用した場合の効果も、大幅に許容量を越えた場合の有害性も証明されていません。
葉酸は、ほうれん草などの葉ものの野菜(緑黄色野菜)や果物、豆類、レバーなどの身近な食品に多く含まれます。妊娠初期の母体の葉酸摂取は胎児神経管奇形のリスクを軽減するという報告がありますが、葉酸が欠乏すると必ず胎児神経管奇形が起こるという意味ではありません。
また、妊娠初期における葉酸の必要量は0.4mg/日と言われていますが、これは普通に食事をしていれば十分に補える量です。 野菜に換算すれば350g程度ですが、各食品について適正な摂取量を確保すれば、1日0.3~0.4mgの葉酸の摂取は十分可能です。 高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にしますので、1日1mgを越えるべきではありません。
サプリメント、いわゆる栄養補助食品を利用することは、日常の食生活のあり方に対する安易な姿勢につながりやすいので、絶対にお止め下さい。
質問に答えていただき、ありがとうございました。本来「はらだ医院婦人科Q&A」は産婦人科疾患に対する素朴な疑問に、ホームページ上での公開を原則として一般的にお答えするものです。
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