e-妊娠top トピックス 風しん患者5000人超、パパの予防接種が重要

風しん患者5000人超、パパの予防接種が重要

指を掴む赤ちゃん

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厚生労働省の調査で、2013年の風しん患者が昨年の2倍になり、すでに5000人を越えたことがわかりました。患者の多くは20〜40歳の男性です。妊婦自身はもちろん、パパの風しん対策が極めて重要です。

2013年の風しんを解説

妊婦と赤ちゃん

どうして今年は風しんについてのニュースが度々あるのか、実際に感染者がいないと実感がわかないかもしれません。神奈川県と大阪府の例を挙げて、わかりやすく現状を解説します。

2013年は、例年以上に風しんが流行しています。各地域で昨年を上回る患者数が確認されているので、今年はどこに住んでいても風しん予防が必要だと考えてください。

流行の一例を挙げると、神奈川県では2013年4月7日までの累積報告数が503件。昨年の同時期は5件だったため、患者数は100倍になったそうです。このことから神奈川県では「風しん非常事態」を宣言しました(参考1)。

先天性風しん症候群の発症は、昨年は全国で5件だったことに対して、今年はすでに5月までで全国で5件となっています。感染者数の多さから今後も、先天性風しん症候群は増える可能性があると考えられます。

先天性風しん症候群の数で考えると昨年と同じだと思うかもしれませんが、昨年は1年間で5件。今年は5月5日までで5件。さらに過去5年間では多くて年間2件、年間を通して0件だった年もあります。

流行危惧は関東だけではありません。大阪府でも昨年は風しんの流行が目立っていましたが、そのまま2013年も風しんウイルス感染の勢いは止まっていません。

大阪府立公衆衛生研究所の発表によると、2012年の大阪府内では年間408件の風しん感染報告があったそうです。(参考2)

大阪府内では、2011年は67件だったので、2012年の時点でも流行が心配されていました。ところが、2013年は14週までで319件の感染報告があったそうです。2012年からの風しん流行がさらに続いている結果となっています。

これらはほんの一例にすぎません。その他の地域でも昨年を上回る感染者数が確認されています。まだ5月でこの状況ですから、夏に向けてさらに感染拡大が心配です。

なによりe-妊娠を閲覧している多くの妊婦さんは、風しんの流行に敏感になっていると思います。「首都圏で流行」という見出しのニュースもありましたが、大阪府の例をみてもわかるとおり首都圏に限った事ではないと認識したほうが良さそうです。

予防接種を受けていない年代

風しんの予防接種を受けていない人が多いと言われているのは、1979年4月2日〜1987年10月1日生まれです。また、平成7年以降に中学を卒業した人は、予防接種の有無を確認してください。

もともとは風しんワクチンは1977年(昭和52年)に定期接種に導入され、先天性風しん症候群を予防するために中学生女子に接種していました。ところが中学以前の風しん感染者も多く、1995年4月からは生後12ヶ月から男女ともに予防接種を受けるように改正されました。

こうした予防接種の改正で、風しんワクチンの接種時期を逃してしまった人は今も多くいるようです。

パパの協力で先天性風しん症候群を予防

パパとママ

2013年の風しんで知ってほしい情報は、風しん感染患者の半数以上は成人男性だという点です。つまり、妊婦自身がどんなに安静にして衛生面も気を付けても、パパが感染する可能性のほうが高いとも言えます。

今後の対策としては、妊娠出産を控えている家庭では妊婦自身だけではなく、パパも妊婦と同レベルの風しん対策をしましょう。

パパの協力は、ママからちゃんと言葉でお願いしてください。男性は先天性風しん症候群の知識が妊婦ほどありません。「これだけニュースでもやっているから、わかっているわよね」と解釈するよりは一度、妊娠初期の感染が心配だと話してください。

仕事で外に出る機会の多いパパは、風しんウイルスはインフルエンザと同じ飛沫感染なのでマスクの着用が有効です。でも、5月以降はマスクをしていると少し暑いですね。手洗いうがい、栄養をとって体力を落とさない等も心がけてください。

今回患者数の多い20〜40代のパパが、風しんの予防接種を受けたか確認できない場合は、もう一度接種してください。この場合は定期接種扱いにならずに有料になってしまいますが、赤ちゃんが先天性風しん症候群にかかる確率がかなり低くなるメリットを考えたら、再接種はとても有益です。

参考1:神奈川県 風しんの流行について

参考2:大阪府立公衆衛生研究所 大阪府感染症情報センター「風しん情報」

参考3:厚生労働省 「風しんについて」

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