胎齢 56→62日
赤ちゃん(CRL) 2.9→3.8cm
胎のう(GS) 5.8→6.6cm
10週0日から出産予定日まで210日
10週6日から出産予定日まで204日
胎芽といわれる時期は終わり、これから出産までの赤ちゃんは「胎児」と呼ばれるようになります。すっかりと手や足も大きくなって、超音波で見ても可愛らしい人間の形になりましたよ!
妊娠中の赤ちゃんは羊水の中で「水棲動物」として過ごしますが、その成長の早さは本当に驚く限りです。
新しい命の芽生え、受精卵となったときには、赤ちゃんは1つの接合体にしか過ぎません。その接合体が次々に細胞分裂を繰り返していき、やがて背骨の元ができて心臓が動くようになります。
この頃の赤ちゃんは魚みたいにエラやしっぽがついていて、脊椎動物、魚類にも例えられます。その後にはカエルやカメのような小さな水かきのような指が現れて、だんだんと自分の意思で動けるようになってくるのです。
そして妊娠中期を過ぎるころには「しゃっくり」「まばたき」「指しゃぶり」など、その行動はすっかり人間の赤ちゃんらしくなりました。
このような赤ちゃんの成長過程が、地球生物の進化とよく似ていると言われています。生物が地球上に始めて誕生したのは約36億年前、海の中の小さな細胞が「魚」となり、今度は陸に上がって「両生類」になります。
そしてカメや虫や恐竜が生まれてくる気の遠くなるような時間の後に、やっとサルのような動物(哺乳類)が誕生するのです。
この何億年とかかった生物の変化を、赤ちゃんはたったの10週程度でやってのけた計算になるのです。
「赤ちゃん 40週間」と、「地球生物 36億年」は同じ!?
爪や髪の毛、歯の元のようなものが現れ始めます。まぶたが発達して赤ちゃんの目が閉じるようになります。今までは透明で透けていた皮膚がだんだん厚くなってきて、血管や内臓がだんだん見えなくなってきます。
まだママやパパには判断できませんが、女の子は膣が発達して、男の子は睾丸が認識できるようになります。
妊娠8週頃から超音波ドプラー(ドップラー)により、赤ちゃんの心拍音を聞くことができるようになります。
(それまではモニタに映し出される赤ちゃんの心臓の鼓動を見るだけ)
超音波ドプラーでは、動体に反射してくる「反射波」の周波数(ドプラー効果)により、胎児心拍動に一致した可聴音を聞くというものです。
以下マタニティ診断ガイドブック(最新産科学、正常編)、引用箇所
妊娠の診断の中でも胎児が生きているか否かを簡単に確定できる検査法である。
超音波は胎児の心臓や血管のように絶えず拍動している動体に反射すると、その反射波の周波数はドプラー効果により、入射波のそれと少しく変化する。
入射波と反射波は相混じて、拍動ごとにうなり音を生じ、ここに胎児心拍動に一致した可聴音を聴くことができる。胎児の心臓からドプラー信号は2拍性でザーピ、ザーピ、パタン、パタンというように聴こえるが、妊娠初期では血管性の音が主体でザー、ザーと聴こえるから、母体血管音と区別するために、母体脈拍をとり、これと同期していなければ胎児性と診断する。
*引用終わりおなかの赤ちゃんの頭が、ママと同じように上にあることを逆子(骨盤位)といいます。逆子の出産だと「へその緒」が赤ちゃんの頭よりも先に子宮(膣口や子宮頸管)から出てしまうので、大きな頭にへその緒が挟まれてしまう可能性があります。
2000年に世界26カ国、121施設(日本は含まれず)で2088例の骨盤位分娩(逆子)を検討した結果、経膣分娩では帝王切開より命に関わる重大なリスクが3倍増加するというデータがあります。この報告を受けて多くの施設は、出産時まで逆子のケースでは帝王切開を施行しています。
しかし出産時まで逆子でいる確率はだいたい3~4%と言われていて、通常の赤ちゃんは32~36週くらいで頭位(頭が下の状態)に落ち着きます。