子宮筋腫とは子宮にできる良性のこぶ(腫瘍)のことです。ガンのように悪性ではないので生命に関わる病気ではないし、悪性化することもほとんどありません。
子宮筋腫は決してめずらしいものではありません。自覚症状がないために気づかない人もたくさんいて、成人女性の5人に1人はが筋腫持ちであると考えられています。
妊娠前には月経過多や強い生理痛、貧血を起こしやすくなります。妊娠中には筋腫が大きくなりやすく、出産するとまた小さくなります。閉経後には小さくなります。
はっきりとはわかっていませんが女性ホルモンが影響すると考えられています。ホルモンの分泌が多い30~40代の女性が多く、閉経後は小さくなる傾向があります。
また遺伝や食生活にも関係すると考えられていますが、現在のところ予防することはなかなか難しいようです。積極的に定期健診を受けるしかありません。
筋腫が大きくなると下腹部にしこりができたり、膀胱を圧迫して尿が近くなったりします。また長期にわたり圧迫し続けると動悸や息切れ、心臓にも負担がかかる場合もあります。できる場所が粘膜下筋腫、筋層内筋腫ですと月経過多や強い生理痛、あるいは貧血を起こしやすくなります。
できた場所が粘膜下筋腫、筋層内筋腫ですと子宮内膜に凹凸ができてしまい、不妊や流産、早産の原因になることがあります。妊娠中期には今度は筋腫が大きくなり、ごくまれに胎のうを圧迫して赤ちゃんを押し出してしまう事があるようです。
経過観察、薬物療法、手術があります。
閉経が近い人や筋腫の小さい人(3cm程度)は3~4ヶ月に1度の健診で様子を見ることが多いようです。妊娠中も他の治療は取りにくいので筋腫の経過を見ていくことになります。
発生率は低いですが子宮頸部筋腫の場合のときは赤ちゃんが通る産道を筋腫が邪魔をするために帝王切開になることがあります。
子宮筋腫を完全になくすことはできませんが、筋腫を小さくしたり症状を軽くしたりできます。エストロゲン分泌が低下し、一時的に閉経状態になります。
妊娠中に筋腫を取り除く手術をすることはまずありません。筋腫だけを取り除く子宮筋腫核手術と子宮すべてを取り除く子宮全摘術があります。
定期健診をうけるしかありませんが、急に生理の量が多くなったり生理痛が重くなったりします。出血にレバーのようなかたまりがあったり、下腹部のしこりがわかる場合もあります。
子宮筋腫が子宮ガンになることも、また子宮筋腫があるから子宮ガンになりやすこともないようです。ただまれに子宮筋腫だと思っていたものが肉腫だったというケースがあるようです。
子宮筋腫は不妊症の原因になることもあり、また流産を起こしやすくなります。妊娠との影響は筋腫の大きさと場所によります。筋腫の大きさが3cmぐらいまでは問題がないとされていて、それ以上の場合は医師と相談し手術するか決めるようです。
妊娠中に薬物療法や手術をすることは普通ありません。胎盤が圧迫されて多少小さめの赤ちゃんになることがありますが障害などを起こすことはまずないようです。筋腫が子宮口以外ならもちろん普通分娩も可能です。