高齢出産で予測しておきたい妊娠・出産トラブル。高齢出産は子宮口が開きにくかったり微弱陣痛で分娩時間が長引くケースが心配ですが、医師との連携や体調管理で乗り切りましょう。
高齢出産に限りませんが女性に発症する子宮筋腫は、35才以上になると発症率が上がります。そのため妊娠がわかって妊婦健診をしたときに、はじめて子宮筋腫が発見されるケースもあります。
妊娠中は筋腫が大きくならなければ、そのまま出産まで経過観察で乗り切ります。ただ筋腫の場所によっては自然分娩ができず、帝王切開になることもあります。帝王切開になることを予測して、妊娠中から体力維持を心がけてほしいです。
子宮筋腫になったからといって妊娠や出産をあきらめる必要はありません。症状にあわせた出産方法を考えます。ただ目に見えないぶん、自分では症状の進行がわからないので放置しないで通院してください。
高齢出産では赤ちゃんの染色体異常の確率が高まることが予想されます。高齢出産の赤ちゃん全員が染色体異常になるわけではありませんが、念のため出生前検査をすすめる病院があります。
出生前検査で判明しても治療に結びつくかどうかは人それぞれでリスクもあります。先に出生前検査の内容やリスクを、夫婦で確認しておくことをおすすめします。
帝王切開は年齢に関係なく選択できる分娩方法ですが、高齢出産では出血が多くなりやすいことが心配です。輸血のために自分の血液をストックしたり、妊娠中の鉄分摂取を積極的に心がけるなど対策はあります。
高齢出産になると高血圧になる確率が上がります。高血圧が続くと、妊娠高血圧症候群(にんしんこうけつあつしょうこうぐん)になりやすく、症状が悪化すれば母子ともに危険です。以前は妊娠中毒症とも呼ばれていました。
妊娠高血圧症候群になると母体は血圧上昇だけではなく、脳出血に至るケースもあります。赤ちゃんは胎盤がはがれて酸素や栄養が届かなくなる常位胎盤早期剥離(じょういたいばんそうきはくり)や発育不全になることもあります。
高齢出産だけに限らず、妊娠前から糖尿病や肥満、多胎妊娠でも妊娠高血圧症候群が心配されます。日ごろから塩分や体重増加に気をつけた食事や体調管理で、出産まで高血圧を予防していきましょう。
子宮口が開きにくいトラブルは高齢出産に限らず、どの年齢でも考えられるトラブルです。高齢出産でも子宮口が開きにくいトラブルも多く聞きます。子宮口が開きにくいと、お産がはじまっても赤ちゃんが産道で立ち往生します。
母体の産道がかたいと、ますます分娩時間が長引きます。子宮口の開き具合も妊婦健診でチェックするので、妊婦健診はこまめに行きましょう。筋肉をつけるためのスクワットや妊婦向けのストレッチも効果的です。
分娩時に陣痛が弱いままだったり、遠のいてしまう状態の陣痛を微弱陣痛(びじゃくじんつう)と呼びます。微弱陣痛になると分娩時間が長引くので母体の体力、赤ちゃんの生命が心配です。
高齢出産では微弱陣痛で、予想以上に分娩時間が長引くケースが増えがちです。どんなに健康を心がけていても、微弱陣痛になる可能性はゼロではありません。微弱陣痛は子宮の収縮力が弱いことが原因の1つなので、医師の判断で陣痛促進剤を投与したり予定している分娩スタイルを変更するケースもあります。
高齢出産に限らず、妊娠や出産でのトラブル確率がゼロになる確証はとれないものです。どの年代でもトラブルは予測しなければいけないので、高齢出産のトラブルを考えて悲観的に妊娠生活を過ごすことは避けたいです。
高齢出産では病院側との連携を保ち、信頼できる医師や助産師と出会うことで出産への自信がつきます。年齢が上だからといって、ひとりで乗り切る必要はありません。高齢出産ママのブログなど、経験談も参考にしてください。