高齢出産で気になること、母親の年齢変化。心配してくれるのはありがたいけれど、いつも年齢のことや高齢出産についての話が出ると疲れます。ほどほどに心配してほしいのが正直なところです。
高齢出産(こうれいしゅっさん)とは、医学的には35才以上の女性の出産をさします。35才以上ではじめて出産することは高年初産と言われ、母子ともに注意が必要だと考えられています。
高齢出産と聞くと、いかにも年齢がオーバーしている妊婦のように聞こえてあまり良い気分ではありません。昔はそれだけ35才前に出産している女性が多かったのですが、35才が高齢と呼ばれる年齢なのかも疑問なほどです。
不妊治療や妊娠するための準備が進歩したため、現在では35才以上で出産することも珍しいとは言えません。地域にもよりますが、女性が要職に就くケースが増えることに比例して結婚や出産を焦らない傾向もあります。
例えば厚生労働省がおこなっている人口動態調査の結果をみると、子どもが5才のときの母親の年齢推移がわかります。厚生労働省の調査結果によると昭和60年、5才児の母親は25~29才のが1番多く、次いで30~34才でした。ところが平成27年、5才児の母親は30~34才が1番多い年齢層です。
注目すべきは35才以上の5才児の母親です。昭和60年では35才以上の母親が、35才以下の母親よりかなり少ないことが特徴でした。ところが30年もたたないうちに変化があります。35~39才の5才児の母親の数で比べると、平成27年は昭和60年の約2.7倍の人数がいるのです。
もう少し近い平成12年と平成27年の40~44才の5才児の母親の数を比べると、平成27年は平成12年より約3.5倍の人数がいます。ちなみにこの調査結果によると、昭和60年の5才児の母親で50才以上は1人でした。平成27年は52人です。
妊娠や出産については様々な調査結果がありますが、この結果だけでも20年ちょっとで母親の年齢が幅広くなっていることがわかります。
35才以上で妊婦になると、自分よりも周囲が心配することも多いようです。不妊治療でやっと妊娠した人にとっては喜びが大きい反面、周囲の高齢出産を指摘する声がストレスになっています。
心配してくれるのはありがたいけれど、いつも年齢のことや高齢出産についての話が出ると疲れます。ほどほどに心配してほしいのが正直なところです。
妊娠したとたん「高齢」と言われると複雑な気持ちになります。臨月まで健康で過ごせるのか、いったい出産に持ちこたえることができるのかと不安になります。周囲が同じようなことを考えているのかと疑ってしまうものです。
妊娠までキャリアを積んで働いていた女性にとっては、急に体を心配される立場になることに違和感を感じることもあるようです。
赤ちゃんの染色体異常や出産前にわかるトラブルを発見するために出生前検査があります。母体の血液や、お腹に細い針をさして羊水を採取して調べます。出生前検査のメリットは、通常の妊婦健診だけではわからないトラブルを早めに知って考える時間が増えることです。
高齢出産と呼ばれる35才以上になると、出生前検査をすすめる病院も増えます。これをどう受け止めるのかは人それぞれです。たとえ母体と赤ちゃんのためとはいえ、検査が増えることに出産までの不安を感じることもあります。
高齢出産だから出産に沢山のハンデがあるとは考えたくないものです。妊娠や出産は20代でも40代でも、無理をすれば同じようにトラブルを招きかねません。35才という年齢の壁にこだわってマイナスに考えたり諦めるよりは、そのときの母体と赤ちゃんに1番やさしい出産スタイルを考えていきたいですね。
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