妊娠後期、特に妊娠10ヶ月といわれる36周以降に、妊婦健診後に突然少量の出血することがあります。これは通常のおしるしではなく、内診が原因の可能性もあります。おしるしとの判断が難しいので慎重に経過を見る必要があります。
おしるしと同じように出血が見られる内診出血とは、妊婦検診時の内診で膣(ちつ)に刺激を受けて少量の出血が見られることです。実際は内診だけではなく、夫婦生活後に見られることもあります。
もともと、妊娠中の膣はデリケートで少しの刺激でも出血することがあります。ですから、どんなに気を付けて内診を行っても刺激を受けてしまうことはあります。
また、内診後の出血すべてが、内診中に刺激を受けた出血だけではありません。内診前から何らかの理由で膣内にあった不用なものが内診の刺激によって、おりものと一緒に排泄されることもあるのです。
内診出血も心配な程、敏感になっている膣にわざわざ内診をするのは、内診が妊婦検診ではとても大切なプロセスだからです。内診では、エコー検査や腹部を触るだけでは確認できないことが、分かります。
内診では、その時の膣のかたさ、子宮口(しきゅうこう)や卵巣の状態を確認できます。子宮口は出産時には大きく開き、赤ちゃんの頭も通るようになります。宮口が開いていると、出産が近い目安になるのです。
例えば医師は「いま、子宮口が2センチ開いています」といったように説明します。開きかけた子宮口は一気に開く事もあるので、子宮口が開き始めたら出産が近付いていると認識します。
妊娠後期の内診では、他にもおりものの色や量で膣感染症がないか調べたり、出産時に赤ちゃんが通る道に傷や腫れなどの異常がないかどうかの最終チェックも兼ねています。
出産前の内診を不快に思う人も多いようですが、分娩に必要なことだと割り切ることが必要です。
おしるしの場合は、出血が長く続くことはありませんから月経でしようする生理用ナプキンで対処します。内診出血も同じです。
ただ、おしるしはおりもの等と一緒に排泄されたら出血はお終いです。流れるように出血が続いたら、それはおしるし以外の症状かもしれません。腹痛や張りがなく通常のおしるしの場合は、次の検診時に報告する程度で急を要さないことも多いものです。
内診出血の場合は、傷口があるのならば感染症に気を付けます。もしも、内診後に出血があって気になる時は、再度、担当医に問い合わせてみましょう。時には内診の刺激で膣がヒリヒリと痛むこともあります。その時も医師に相談します。確認するまではシャワーだけで、湯ぶねには浸からないでおきましょう。