安定期とは、妊娠初期の不安定な体調変化や、つわり症状が落ち着いて妊婦生活が送れるようになる時期をさします。具体的には妊娠5ヶ月(16週)からだと考えます。ただ、最近では胎盤が完成する14週頃(妊娠4ヶ月)には流産の確率が低くなることから「妊娠4ヶ月~5ヶ月にかけて」と広範囲で表現することもあります。
ここでは確実に多くの妊婦の状態が安定する妊娠5ヶ月からが安定期という考えで、安定期になったことを実感できる症状をわかりやすく説明します。
安定期は「ちょうどこの日から」「何周何日目から」という規定がありません。つわり症状や期間が妊婦それぞれ違うように、安定期のサインも人それぞれです。ポイントは最もつらいと感じている症状が改善してくることです。焦らず症状が落ち着くのを待ちましょう。
母体にとって最も安定期への突入を実感するのは、つわり症状が治まることです。吐き気や、においに過敏になって嫌悪感を感じたり、原因不明の倦怠感や眠気も治まります。
具体的にどんな症状が落ち着くのか、わかりやすく紹介します。個人差がありますが、以下の変化がわかりやすいようです。
食事をしようとしても胃が逆流するような吐き気があったり、下を向いただけで吐き気を感じていたつわり期も終了です。
いつの間にか食事ができるようになったり、下を向いても吐き気が強く出なくなってきたら安定期に入るサインです。
食事が全く出来なかった人は、消化の良い食事から始めてください。胃が弱っている可能性があるので、刺激のある香辛料や、体を冷やす料理はしばらく様子を見て徐々に再開してください。
ご飯の炊けるにおい、温かいスープや煮物の湯気など「美味しそうなにおい」が苦手になってしなうのも、つわり期の特徴です。
ご飯のにおいに敏感になると、炊飯器の湯気を見るだけでも不快になってしまい、冷まして湯気のない状態になってから食べる妊婦もいます。なかには、炊飯器で炊くときは、ベランダや廊下に出す強者もいるほどです。
こうした苦手だったにおいや湯気が「美味しそうなにおい」に戻ってくるのも安定期に移行するサインです。
家族にも総菜などで対処していた家庭では、また手作りの料理を出せるようになります。無理して張りきり過ぎないで、体調を優先してくださいね。
つわり中は、食事や調理、家事や仕事なんでも思い通りに進まないことがストレスです。イライラして頭痛が増えるのもつらい症状の1つです。
ただ、妊娠中はホルモンバランスが変わったり頭痛原因は様々です。つわりが治まっても頭痛が続く場合もあるので、落ち着くまではストレスを溜めずにリラックスして対処できるようにしたいです。
つわりが原因の場合は、つわりが軽減されて、吐き気や不快症状が治まると頭痛も減っていきます。
つわり期の原因不明の、いつでも何をしていてもだるい状態は周囲に不機嫌に見られたり、仕事や家事をなまけているように勘違いされることもあります。
やっと倦怠感が減って、気分がよくなったら安定期に入る頃です。真面目な人ほど倦怠感を隠して頑張っていたでしょうから、安定期はリラックスしながら過ごしてください。
妊娠初期は、毎日決まった時間に眠くなったり、睡眠時間が増えることもつわり症状の1つです。
毎朝スッキリ目覚めることができないと1日をぼんやり過ごしてしまいます。仕事中に眠くなったり、日中のお昼寝は我慢することができない程の睡魔です。
安定期に入ると、眠気が少し治まります。眠気と一緒に感じる倦怠感も減るので、仕事や家事がしやすくなります。でも、眠気に関しては「出産までずっと続いた」と言う妊婦もいるので、あまり我慢せずに休息時間は作ってください。
安定期に入ったら、妊娠初期には不快症状でできなかったこともできるようになります。ほんの数ヶ月ですが不便だったつわり期を乗り越えることで、妊婦としての自信もつく頃です。
安定期に入る妊娠中期は、妊娠後期・出産に向けての準備期間でもあります。できなかったことを満喫すると同時に、出産への準備もゆっくり始めてください。