妊娠4ヶ月といわれる期間は、妊娠12週から15週までの期間です。子宮に胎盤が完成することで、より多くの酸素や栄養を確実に摂取できるようになります。妊娠4ヶ月の赤ちゃんの成長をまとめました。
妊娠4ヶ月の赤ちゃんの推定体重は128gぐらいです。妊娠5ヶ月までは妊娠月数を3乗した数に2をかけたものが赤ちゃんの推定体重となります。
妊娠4ヶ月の場合は、「4×4×4×2=128」となります。ただし体重には個人差があり、100~200gまで考えられるでしょう。この重さはレモン1個分程度です。
身長は約15~16cm。妊娠3ヶ月から比べると、1ヶ月で2~3倍に伸びています。
妊娠11週頃から大腿骨長(FL)で太ももの骨の長さがわかるので、妊娠12週では赤ちゃんの身長が計算しやすくなります。
大腿骨長(FL)は、太ももの付け根から膝までの長さで、赤ちゃんの骨の中でも最も長い部分です。最も長いと言っても、妊娠12週の赤ちゃんの大腿骨長(FL)は、大人の手の指程度です。
妊娠4ヶ月に入ると、12週からの赤ちゃんは頭の横幅の大きさを測り、正確な妊娠週数とそれにあわせた推定体重を割り出すことができます。この方法を児頭大横径(BPD:biparietal diameter)(じとうだいおうけい) と言います。
妊娠4ヶ月に入ると、子宮の上部である子宮底(しきゅうてい)に胎盤が完成します。正確には受精した場所に胎盤が作られます。
赤ちゃんは子宮の中で胎盤を通して、酸素やママからの栄養を確実に吸収することができるようになります。胎盤は赤ちゃんの未発達な臓器の代用として、出産時まで赤ちゃんに酸素や栄養を送り続けます。
胎盤では母体側から血液を受け入れます。血液の半数近くを占める血しょう(けっしょう)を介して、母体から運ばれた酸素や栄養分と、赤ちゃんから運ばれる老廃物や酸素の交換を行います。そのため、母体と赤ちゃんの血液が交わることはありません。
胎盤は輸送機能だけではなく、妊娠を継続させるためのホルモンも生産し始めます。プロゲステロンが妊娠継続のために発生し、エストロゲンは子宮の筋肉を柔らかくします。
胎盤は子宮の上部に完成しますが、まれに位置が異なる場合があります。これを胎盤位置異常(たいばんいちいじょう)と呼びます。例えば、子宮の下側の、子宮口(しきゅうこう)に一部がかぶったり塞いでしまう位置に胎盤がある状態は、前置胎盤(ぜんちたいばん)と呼びます。
胎盤が完成したら、今度は子宮の成長とともに、胎盤の位置や状態を見ていく必要があります。
妊娠4ヶ月では、赤ちゃんの体内で各機能の発達が目立ちます。肺、胃、腸、肝臓など内臓機能は成熟段階にはいります。
腸は最初は臍帯(さいたい)という臍の緒の一部でしたが、妊娠4ヶ月にはいると移動して、赤ちゃんの体内に納まります。
気管も発達して、赤ちゃんは横隔膜を上下して呼吸をしているような(実際は羊水の中で呼吸はしていません、羊水を肺内に飲みこんでいます)動きを練習し始めます。羊水を飲んだり出したりすることが呼吸練習になっています。
赤ちゃんの急ピッチな成長に伴って、たくさんの酸素が必要になります。酸素はママの心臓から送りだされる血液によって、赤ちゃんまで運ばれます。
妊娠4ヶ月で、赤ちゃんのあごの骨が強化されていきます。そして、赤ちゃんの頬がついてきて唾液が作られるようになります。
こうして赤ちゃんの顔立ちは、少しずつ整っていきます。妊娠4ヶ月の後半では眉毛や頭髪もうっすらと生え始めます。
赤ちゃんの皮膚は最初は透明に近い色をしています。妊娠4ヶ月になると、皮膚の厚みが増して、肌の色も不透明に変化します。この変化によって、赤ちゃんの肌の保護機能が発達します。
妊娠4ヶ月の後半には、赤ちゃんの首がしっかりします。それまでは、肩に頭をのせるような体勢だった赤ちゃんが少し頭を持ち上げて、首を伸ばした状態でいられるようになります。
妊娠4ヶ月の赤ちゃんは、胎盤の完成によって良質な栄養と酸素を吸収することができます。骨や筋肉が発達して、手足を動かすことができるようになります。
まだ胎動を感じさせるほど力強く動きませんが、親指が他の4本の指と向かい合うようになって、羊水の中でゆっくりと動かす練習を始めます。指しゃぶりをする赤ちゃんもいます。
赤ちゃんは羊水の中を自由に動きます。妊娠4ヶ月では、赤ちゃんが逆子(さかご)や横位でも気にしないで大丈夫です。
妊娠4ヶ月の頃の羊水は、約80mlです。妊娠33週頃には800mlまで増加します。赤ちゃんは羊水を口に入れては出したり、羊水中におしっこをして排泄ができるようになります。
羊水は3時間で入れ替わるので、赤ちゃんがおしっこをしても羊水は消毒されて綺麗に保たれます。
妊娠4ヶ月の赤ちゃんの脳は、まだシワがない状態です。よく脳をイラストで描くとシワが沢山刻まれている模様を見ますが、まだ大きな大脳半球があるだけです。
妊娠4ヶ月には、赤ちゃんの体に膀胱が確認されます。エコー検査の時の赤ちゃんの体勢によっては、性別がわかるようになります。
ただし、指や陰が膀胱の形と重なってみえることもあり、この時点での性別判定が100%確実とは言えません。
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