破水とは、胎児を包んでる卵膜が破れて羊水が母体外へと流れ出ることです。通常、破水は陣痛のピークに起こり、卵膜が破れて子宮口が全開大になると赤ちゃんが産道を降り始めます。まれに(10人に1~2人くらいの割合で)陣痛前に破水が起こることがありこれを「前期破水」と呼んでいます。
本格的な陣痛が始まると子宮口が少しずつ開いていき、そのうちに赤ちゃんを包んでいる卵膜が破けて羊水が漏れるように流れ出ます。これが破水で、赤ちゃんが自分の世界から外の世界に出てくる合図なのです。
破水は自分の意思とは関係なく尿を漏らすような感覚です。チョロっとしたものだったり勢いよく流れ出ることもありますが、人により赤ちゃんがどういう状態で骨盤に収まっているかが関係しているでしょう。破水で漏れる羊水は生温かく独特なにおいがするので分娩時の記憶として出産後にも忘れられないかもしれません。
なお陣痛が始まって長時間が経っても、あるいは子宮口が5cm以上開いても破水が起こらない場合もあります。この場合は人工破水(人工破膜)といって人工的に破水を起こさせる方法があります。人工破水は参考書などではあまり取り上げていませんが、実際は5人に1人程度の割合で実施されている陣痛促進の手段です。