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多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)とホルモン

赤富士
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ホルモンとは、人間の体をコントロールする化学物質で、脳の視床下部や下垂体、甲状腺、副腎、すい臓、卵巣などから分泌されます。人間のホルモンの数は約40種類、しかし分泌される量は一生の間でもスプーン2~3杯の量と考えられています。

女性にとって大切な、月経、妊娠、出産、授乳なども、すべてホルモンが正常に分泌されることで可能になります。しかしPCOSでは、正常なホルモン分泌が妨げられて月経異常、排卵障害を引き起こしやすいのです。

排卵が起こるまでのホルモン分泌の順序

以下のイラストは女性が排卵するまでのホルモン分泌の順序をわかりやすく示したものです。すべての女性ホルモンをコントロールする場所は、左右の大脳に挟まれている間脳(視床下部)になります。

そしてまず第1段階で、この間脳から下垂体(脳の中心部)へ「ホルモンの分泌を開始しなさい」と働きかけます。この視床下部から分泌されるホルモンのことを「性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)」といいます。

卵巣機能の調節

*イラスト(不妊治療ガイダンス第3版より引用)

そして第2段階では視床下部からのGnRHの刺激を受けた下垂体が、「FSH」「LH」の分泌を始めます。またイラスト内にはありませんが、乳房には「乳汁分泌ホルモン(プロラクチン)」、副腎には副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)なども分泌されています。

そしてさらに第3段階では、FSHとLHの刺激を受けた卵巣が、月経周期に最も関わるホルモンの、「エストロゲン」と「プロゲステロン」の分泌を行なうようになるのです。

PCOSのホルモン異常

高LH血症

下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)が高値になり、卵巣の皮を硬く厚くしてしまいます。またそれに伴い男性ホルモンを過剰に生産することが無排卵の原因となります。

高アンドロゲン血症

男性ホルモン(アンドロゲン、テストステロン、デヒドロエピアンドロステロンなど)が高値になり、多嚢胞、白膜肥厚、間質の増殖、卵胞閉鎖促進などの慢性的な不妊原因を引き起こします。

高インスリン血症

血中のインスリン濃度が高くなると、卵巣でのアンドロゲン生産を促進するとともに、肝臓では性ホルモン結合グロブリンのが抑制されて、テストステロン(男性ホルモン)の濃度が高まると考えられています。

高プロラクチン血症

PCOS患者の15~30%程度が、軽度の高プロラクチン血症を伴います。PCOSにおいて慢性的非周期的高エストロゲンは、高プロラクチンが関与しているとも考えられています。またプロラクチンが副腎性アンドロゲン(DHEA-S)の生産を増長する可能性も指摘されています。

関連不妊用語

多嚢胞性卵巣症候群 女性ホルモン 視床下部 下垂体 卵巣 排卵障害 GnRH FSH(卵胞刺激ホルモン) LH(黄体化ホルモン) プロラクチン エストロゲン プロゲステロン 高LH血症 男性ホルモン テストステロン 高インスリン血症 高プロラクチン血症

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