年齢など絞り込みでるようになりました。苦しみを乗り越えた人たちの妊娠報告...
PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)では第1度無月経(薬によって生理が起こる)など比較的「軽症」の人が多く、この場合は内服剤であるクロミフェン療法(クロミッドなど)が有効になります。
しかしクロミフェンがうまく効かない人や、あるいは反応はあるものの周期を繰り返してもクロミフェンの副作用などで妊娠に至らないケースでは、「hMG-hCG療法(ゴナドトロピン療法)」が選択肢になります。
*PCOS症例では15%がクロミフェン抵抗性であり、かつ反応があってもその半数は妊娠が成立しないと言われる。
PCOSの人がこのhMG-hCG療法をすることによって、排卵する確率は70%程度、妊娠率は30%程度になるとの報告があります。その報告を踏まえて、現在PCOSの治療法として最も有効だと考えられているのが、この「hMG-hCG療法」なのです。
hMG-hCG療法とは、卵胞期(排卵前)にhMG注射することで卵胞を育てて、卵胞が大きくなったらhCG注射して卵を排卵させる治療法です。
PCOSでは正常に卵を成熟させて、なおかつ排卵させることが最大の治療になります。このHMGというホルモンは女性の卵巣を刺激する働きがあり、卵胞の成長を助ける役目をします。
特にHMG内に含まれている「FSH」という成分が大切で、卵巣に働きかけて質のいい卵を育ててくれます。そしてもう1つ、HMGにはFSHの他に「LH」という物質も含まれています。
このLHという成分の主な働きは、卵が排卵するとき手助け(きっかけ)をしてくれます。ですので排卵前の卵の成長段階ではLHはほとんど必要なく、逆にLHが多量に作用してしまうと卵胞の発育に悪い影響が出るのです。
PCOSではこの「LH」が慢性的に高値を示しているのが特徴です。その状態でHMGを投与してしまったら、LHがなお更高くなってしまい問題が起こる可能性が増えてしまいます。
そこでHMGからLHの分量を出来るだけ取り除いた薬が、近年数多く作られています。HMGからLHをほとんど取り除いたものを、純粋FSH,uFSH、pureFSHなどと呼びますが、hMG-hCG療法では「FSH製剤」と呼ぶことが一般的です。
PCOSの排卵誘発注射では、FSH製剤(フェルティノームPなど)の使用が第1選択となります。HMG製剤と比較しても、妊娠率はほぼ変わりはなく、そしてOHSSのリスクを軽減させるというメリットがあります。
HMGには飲み薬はなく、病院で毎日のように注射をしていくことになります。(本来は毎日のほうが望ましいですが、1日おきに注射をする場合も多いようです)
注射は筋肉注射なので、通常よりも痛みを伴うことがあります。打つ場所は肩あるいはお尻などが選択できるので、恥ずかしからずに痛みが少ない場所を選択すべきです。
閉経後の女性の尿から作られる性腺刺激ホルモンをHMGといいます。HMGの大部分は蛋白質で、ゴナドトロピン(FSHとLH)の割合は全体の4%以下になります。
PCOSではLH含有量の少ないFSH製剤が第1選択になるため、通常のHMG製剤は使われないことが多いようです。ヒュメゴン、パーゴナル、HMG日研などがあります。
hMG→human menopausal gonadotropin ヒト閉経ゴナドトロピン
HMGの中からできるだけLHを取り除いたものがFSH製剤です。LHの割合は0.1%以下、不純物も4%以下と純度が高く、アレルギー反応を起こしにくいのもメリットです。
PCOSのhMG-hCG療法として使われる薬の第1選択となります。皮下注射も可能。フェルティノームP/フォリルモンPなど。
バイオ技術で人為的に製造したリコンビナント(遺伝子組み換え型)FSHです。LHや不純物がほとんど含まれずに、ほぼ100%純粋なホルモンから作られています。
日本ではリコンビナントFSHが使用されるようになってからまだ日が浅く、PCOSの有効性について今後の報告が待たれます。(値段が高い)
リコンビナントFSH(rFSH)→ 製品名/フォリスチム
妊娠時に子宮内に形成される「胎盤」から抽出された性腺刺激ホルモンが「HCG」です。HCGには卵胞を破裂される作用と黄体を形成する作用があり、LHと同じような働きをします。
HCGには卵胞の破裂させるパワーがあり、HMGによって十分に成長していた卵胞がその刺激を受けて排卵します。
一般的には最大卵胞の大きさが18ミリ~20ミリになった時点で、HCGを5000~10000単位投与します。そして注射後、24時間から36時間後に排卵が起こります。つまりHCG注射をした「その日か次の日(あるいは両方)」に行為を持つことで妊娠が期待できるわけです。
またHCG注射をした周期では覚えておきたいことがあります。それはHCGは妊娠検査薬で陽性になる成分ということです。つまり注射後にHCGが体内に残っている期間は、妊娠検査薬を使うと「うっすら陽性」になります。
体内に残っている期間は、HCG5000単位なら1週間、HCG10000単位なら2週間程度と言われていますが、かなりの差が出るようです。HCGを使用した周期での妊娠検査薬の判断は難しいですが、複数回使用して反応が濃くなるようなら妊娠している可能性が高いでしょう。
hCG→human chorionic gonadotropin ヒト絨毛性ゴナドトロピン
副作用としてのアレルギー反応は純粋なFSHを使うほど出にくいようです。ただ稀に全身のそう痒感や局所の発赤がでたりすることがあります。hMG-hCG療法の最大の副作用はOHSSになりますが、OHSSについてはこちらで説明しています。
通常ゴナドトロピン療法では、成熟した卵を排卵させるためにHCG注射を打つことになります。本当ならば、OHSSの発症を高めてしまうこの「HCG」を投与したくはありません。
しかし血中LHが慢性的に高値を示すPCOSでは、自然にLHサージ(排卵を促す)が起こるのを期待することが難しいのです。
OHSSが心配されるケース(E2の高値、多発卵胞など)ではHCG注射が見送られることもありますが、以下のようなHCGの代用薬が使われることもあるようです。
HCGの代わりに「GnRHアゴニスト」と呼ばれる点鼻薬で排卵を促すことがあります。この点鼻薬は脳から卵巣に、卵の成長を促したり排卵を手助けをするホルモン「GnRH」と同じような働きをしますが、その効力は何倍にもなります。(スプレキュア、ナサニール、ナファレリール、ブセレキュアなど)
*GnRHのことは、多嚢胞性卵巣とホルモンでも詳しく説明しています。
しかしこの点鼻薬の作用は少し複雑で、短期的に使用すれば下垂体ホルモン(LHとFSH)の分泌を助け、長期的に使用すれば卵巣ホルモンの分泌を抑制します。
hCGの代わりに使われるときには、
排卵直前に点鼻薬を短期的に使用することで、LHとFSHの急激な上昇が見られるようになります。この現象をフレアーアップといい、これによって排卵が促されるわけです。
*GnRHアゴニストは体外受精や子宮内膜症の治療でも使用され、その場合はホルモンの分泌を抑制するために使われることが多い。
HCGの代わりに外因性のLH、リコンビナントLH(rLH)を使用することで、OHSSのリスクを軽減できる可能性があります。これはrLHがHCGよりも刺激作用が持続しないことがその理由ですが、外因性、および内因性のrLHがLHサージと同様な効果が得られるかは、今後の研究報告が待たれるところです。
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