年齢など絞り込みでるようになりました。苦しみを乗り越えた人たちの妊娠報告...
妊娠したい女性の、冷え症改善を目的とした漢方薬と原材料になる生薬をわかりやすく紹介します。当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅしょうきょうとう)、苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)など。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅしょうきょうとう)は、なんとも難しい名前ですが女性に多い体全体の冷えに効果的です。
「四逆(しぎゃく)」という単語は、漢方の世界では手足の冷えを指しています。
寒い季節になると手指や足先が感覚のないくらいに冷たくなって、布団にはいっても温まるまでに時間がかかって「いつも冷たい感じがする」と思っている人に適しています。
手足の冷えが体全体にまわって、腰の冷えからくる腰痛や肩こりに悩むときも血行促進が必要です。冷えからくるだるさや、腰痛などの痛みも冷え症を改善することで解消していくという考えです。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は保険適用内なので、医師に相談して処方してもらうことが可能です。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯に含まれる主な生薬を紹介します。まず桂皮(けいひ)と芍薬(しゃくやく)は腰痛や体の痛みを緩和したいときに選ばれています。
当帰(とうき)は末端の冷えや体全体の血行不良を改善する働きがあります。貧血対策にも用いられていて、女性にとっては身近な生薬の1つです。
木通(あけび)は利尿作用もある、体内の水分調整をする効果が期待されます。
甘草(かんぞう)は寒さによって収縮しやすい筋肉の緊張を和らげる鎮痛、解毒作用があります。甘草は甘味のある特徴から甘味料にも使用されている安心な生薬ですが、摂取過剰には気をつけましょう。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯は虚弱体質にも適していますが、嘔吐や胃腸痛になりやすい人、下痢になりやすい人は服用前に医師に相談することをおすすめします。
(楽天)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
(Amazon)
当帰四逆加呉茱萸生姜湯
苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)は、体の冷えのなかでも下半身が冷たくて、冷えが原因でトイレに頻繁に行きたくなる頻尿に悩む人に効果的な漢方薬です。不妊治療で処方されるケースもあります。
足腰が冷えて痛みを伴う場合、即効性の治癒力はありませんが、そうならないための体作りを目的として継続的に服用します。
苓姜朮甘湯は4つの生薬でなりたちます。まずは茯苓(ぶくりょう)といってサルのコシカケ科のマツホドの外側を取りのぞいた中身を乾燥させたものです。マツホドは木の周辺にできるかたまりで、菌核(きんかく)といって中身を守るべき発生する菌の硬くなったものに覆われています。
白朮(びゃくじゅつ)は、キク科多年草で「オケラ」と呼ばれている植物です。生薬にはオケラ、またはオオバナオケラの根茎周辺の皮を取りのぞいて使用します。利尿バランスを整えて、浮腫(むくみ)の改善に効果的です。
余談ですが、意外にもオケラは昔から生活と密着しています。京都の八坂神社では正月1月1日午前5時から、白朮祭(おけらさい)を行います。この行事は1年の安泰を祈る神事でおけらに火を灯します。
乾姜(かんきょう)は、ショウガの根茎を湯通しか蒸してから乾燥させたものです。血行促進で体を温め、新陳代謝を高めます。乾燥させても辛味のある芳香があります。ちなみに、妊婦の浮腫(むくみ)には乾燥させていない生姜(しょうきょう)が効果的だと言われています。
甘草(かんぞう)は、1つ上の当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅしょうきょうとう)でも紹介しています。苓姜朮甘湯においては冷えによる痛みを和らげる働きがあります。
十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)は手足の冷えだけではなく、体力低下や病後の疲労にも効果的な漢方薬です。不妊治療でも処方されるケースがありますが、妊娠中の安全性については実証されていません。
十全大補湯に含まれるのは、上記2つの漢方薬にも使用されている漢方も多く、具体的には当帰(とうき)・甘草(かんぞう)・芍薬(しゃくやく)・桂皮(けいひ)・茯苓(ぶくりょう)などが含まれています。
他には人参(ニンジン)があります。人参んといっても食卓に並ぶ品種とは少し違って、朝鮮人参の根を乾燥させたものを生薬に使います。
熟地黄(じゅくじおう)はゴマノハグサ科のジオウの根を乾燥させてから蒸して、最後にもう一度乾燥させたものです。不眠や月経不順にも効果があると言われ、女性の月経サイクルの調整にも役立ちます。
センキュウは、セリ科の多年草です。根茎を湯通ししてから乾燥させて生薬にします。セロリに似た臭いで、国内では北海道で栽培されています。鎮静剤としても広まっていますが、漢方では女性ホルモンの影響であらわれる冷えや倦怠感、精神不安に用いられます。
女性の冷え症は数日で治るものではありません。妊娠前に冷え症を自覚している人は、妊娠中はさらに冷え症で悩むことが心配です。
というのも、女性の冷え症は手や足の末端がいつも冷たいケースが多く、妊娠中は成長する赤ちゃんと大きくなる子宮を支える足腰が血流をさらに悪くしがちです。
妊娠中に冷え症状で悩んでも服用できる薬は少なく、刺激の強いマッサージや、足を滑らせると危険な温泉なども控えがちです。そのため、妊娠を考え始めたら冷え症改善を心がけることをおすすめします。
漢方で冷え症改善を目指すメリットは、西洋薬よりも刺激が少ないので薬が苦手な人も継続しやすいことと、副作用が少ないこと、自然由来の原料なので妊娠したい体の邪魔をしにくいことが挙げられます。